プレスラボ

2017
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みなさま、あけましておめでとうございます

昨年から年賀状を廃止し、年賀コンテンツに移行したプレスラボですが
今年は新年のご挨拶に代え、各メンバーそれぞれ「私と酉(鳥)」というテーマでコラムを書くことになりました

ご自宅に届いた年賀状に目を通し終わった後にでも
こたつでぬくぬくしながら読んでいただければ幸いです

今年もよろしくおねがいします

梅田 カズヒコ

梅田 カズヒコ

年賀コンテンツでは、何か共通のテーマを決めて社員がそれについて短文を書くことが恒例になっている。社内の会議で「今年の抱負」とか「去年やった仕事で印象深かったもの」とかテーマ案が挙がったものの、正月ののんびりしたい時期にそんなことやっても喜ばれないかもだし、じゃあ正月はみんな時間あるからおすすめの映画を書こうというアイディアが出たものの、「映画の製作会社でも配給会社でもないんだから……」とボツになり、結果として「私と酉(鳥)」というテーマが選ばれた。酉年だからである。なんて安直なんだろう。鳥と言えば、弊社には鳩時計がある。壁掛け時計を購入する際に、スタイリッシュな壁掛け時計が候補としてあがるなか、僕が社長権限で「絶対に鳩時計がいい」と言い張って購入したものだ。

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小川 たまか

小川 たまか

大学生だった頃、いくつもアルバイトを掛け持ちしていて、その一つが焼き鳥屋のホールだった。店名は「戎」。みなさん「戎」って漢字、読めますか?大阪には戎橋(えびすばし)という地名があるから関西の人にはお馴染みなのかもしれないけれど、私は当時「戎」を何て読むか知らなかった。いや正確に言うと、自分がその読み方を知らないことを知らなかった。私は「戎」を「イカリ」と読んでいたのです。なぜそう思い込んだのかはよくわからない。働き始めて1カ月が経ち、その日も定番メニューである「戎サラダ」を「お待たせしました、イカリサラダです」と言って出したときのこと。しばらくしてそのテーブルに呼ばれた店長は、私の元に小走りで来てこう言った。

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山本 莉会

山本 莉会

弊社木村の記事を見た。オシドリはメスが一人で子育てをするのだという。 http://wedding.mynavi.jp/kekoon/entry/2016/08/02/080000/ 一昨年、子を出産した私は、3ヵ月ほどの里帰りを終え東京に戻った。夫は可能な限り早く家に帰ってくれたが、それでも孤独な子育てだった。平日昼に子育てについて気軽に話せる相手がいないことが、これほど苦痛だと思わなかった。もともと責任を感じやすい性格で「この子に何かあったら私のせい」と過敏になっていた。児童館へ行っても「ママ友ができる気がしない」と感じ、次第に足が遠のいた。病院の先生と相性が合わず、健診のたび私の子育てについて厳しく意見されたことで子育てにもどんどん自信がなくなっていった。

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カツセ マサヒコ

カツセ マサヒコ

「Twitterって鳥がロゴだし、カツセさんは、Twitterについて書けばいいじゃん」弊社の年始あいさつ企画として、今年は「わたしと鳥」というテーマで、全社員がエッセイを書くことになった。「できるだけ、ほかの社員と違うことを書きたい」と考えていたところ、後輩が、半ば上から目線で、上記の提案をしてきた。僕は、後輩がそれを言うちょっと前から、「よし、Twitterについて書くか。これは名案だ。鳥からTwitterを連想するなんて、俺ぐらいなもんだろう」と考えていて、ちょっと鼻高々としていたところだった。だから、「Twitterとわたし」というネタは書かない。なぜなら、悔しいから。後輩の言いなりになんて、なってたまるか。

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成瀬 瑛理子

成瀬 瑛理子

私は昔からとにかく舌足らずで声が高かった。しゃべるだけで「お湯が沸騰した音かと思った」と突っ込まれるし、笑い声は「鳴いてる鳥か!」といじられ続けてきた。名前の「えり子」とかけて、「とり子」とふざけて呼んでくる友達もいた。ただ、それをとくに気にしたことはなく、しゃべり方や声なんてどうにもならないものだと思っていた。しかし、社会人になるとそうは言っていられなかった。当時の上司からはとにかく話し方を直すように毎日叱られていた。自分の電話の声を録音したデータを行き帰りの電車で毎日聞いて、自分の話しのクセを把握して改善点を日々メモしていった。

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大矢 幸世

大矢 幸世

渡り鳥には帰る場所があるのだろうか。冬を越えるため、命をつなぐため、渡り鳥は海を渡る。たどり着いた先で思うのは、今日一日をしのぐための餌の在り処か、羽を休める場所なのか。それとも、元いた場所を思うのか。愛媛の宇和島という海沿いの町で生まれた私は、父の転勤に伴い群馬、東京、福岡と住む場所を転々とした。行く先々で良くしてくれる人もいたが、私は決まって元いた場所を思うのだった。「前の家のほうが広かった」「自然が豊かだった」「おしゃれなお店があった」……「ここではないどこか」を思って、今をないがしろにしてしまう。そんな自分の性分に気づいたのは、大学受験を控えた高校生の頃だ。地元の大学を第一志望に据えておきながら、ちっとも勉強に集中できなかった。私は、またどこかへ行きたくなったのだ。

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木村 衣里

木村 衣里

わたしには二人の姉がいる。そして、彼女らはわたしのことを「ちゅんちゃん」と呼ぶ。わたしがこのあだ名で呼ばれるようになったのはわりと最近の話で、理由は「なんでもすぐに忘れる」から。「鶏は三歩歩けば忘れる」ということわざがあるように、わたしもさまざまなことをすぐに忘れてしまう。これはわたしの短所かもしれない。だって、「借りてた本、返すね」と約束したはずなのに、肝心の本を忘れて待ち合わせ場所に現れるのだ。「なにしに来たの?」「あ、あー、そっか。ごめん……本返すんだった」いつもこんな調子なので、姉二人はわたしがなにかを忘れても「ちゅんちゃんだもんね」と言って流すようになった。けれど、一方でこれはわたしの長所でもあると思う。

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大井 あゆみ

大井 あゆみ

小学3年生の修了式の日に、猛烈な腹痛に見舞われた。診断は虫垂炎。その日のうちに手術して、即入院した。小学生の私にとって入院生活はとにかく退屈だった。でも、退屈さよりも嫌だったのが毎日の注射だ。1日2回、朝と夜にお尻に注射を打つ。これがとにかく痛くて嫌でたまらなかった。注射の時間が来るたびにベッドの上で暴れまくった。看護師さんが3人がかりで私の手足を押さえつけるほどだった。それでも懲りずに私は毎日とにかく暴れた。そんな入院生活が終わりにさしかかった頃、ちょっとした事件が起きた。寝ていた私になぜかカラスが執拗に追いかけてくる。ベッドからガバッと起き上がってとにかく逃げた。走っても走っても追いかけてくる。もうこれ以上走れないと思った瞬間、カラスが私のお尻をガブリ。……そこで目が覚めた。気がつくとベッドから落ちていた。毎日2回のアレと同じくらい、怖い怖い夢だった。

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鈴木 梢

鈴木 梢

会議のテンションでなぜか決まってしまった、干支にちなんだ「私と酉」というテーマ。私は別に鳥を飼ったことはないし、鶏肉を特別好むわけでもない。ひどく後悔しました。何も書けない……。でも、干支なのだから「酉」で、動物の鳥以外の意味もあるんですよね。西の方角だとか、午後6時を中心とした午後5時から午後7時の2時間のこととか。私の頭がいちばんよく動くのは酉の時間帯です。だから最近の出社時間は大体午後4時くらい。出社も退社も時間が自由なプレスラボで良かったです。プレスラボに入社してもうすぐ1年。こんな働き方ですがなんとか順調にやってきたように思います。嫌だったことはすぐ忘れてしまうので、忘れているだけかもしれませんが……。

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藤堂 真衣

藤堂 真衣

東京に来て感じたのは、なんだか鳥が多いということだった。それも、ビルの周りの上空に。今日、天王洲のあたりを歩いていると、何羽ものカラスがビルの窓ガラスすれすれのところを旋回していた。あれはビルの中から見たらけっこう怖いんじゃないだろうか。たいていの鳥は飛べる。当たり前なのだが、でも、鳥ってうっかり地面に落ちたりないのだろうか。おそらくしないのだろう。わたしたちが歩いたり話したりするのと同じに、鳥は飛べるのだ。しかしながら鳥は、実は受身をとるのが苦手かもしれない。鳥が墜落するのを見たことはないけれども、何かの拍子に「あ、やべ、羽ばたくのってどうやるんだっけ」とか悩んで風を切るのをやめてしまったら、きっと鳥は地面に叩きつけられてしまう。

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石川 優太

石川 優太

もしあなたが鳥だったら、誰よりも高く飛びたいですか?それとも、美しい景色が見たいですか? … 山で一番高く飛べていた僕は、いつもの景色に飽きてしまった。それからは、まったく知らない場所にある、違う山を目指したくなった。そこでも自由に羽ばたけると思っていたのだ。しかし僕は、そこでみた景色に唖然とした。山は高く、周りの奴らは自分よりも高く飛ぶ。彼らが太陽と重なったとき、自分の力で飛ぶ空は、こんなにも狭いものかと落ち込んだ。それ以降、同じ景色をみるどころか、羽ばたくことすらできなくなった。いつしか、羽ばたきかたも忘れてしまう。「知らない」は、恐怖である。気づき、傷つくことがある。故郷に帰ると、仲間たちはいつものように空を飛んでいた。しかしそれは、僕が知らない高さだった。

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撮影協力:shinsuke yasui / 撮影場所:下北沢ケージ
今年もよろしくお願いします