プレスラボ

2020
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シオミ ユタカ

シオミ ユタカ

2010年代は深い失意と迷走から始まったように記憶している。
僕はすでに自営業として北欧・フィンランドの音楽に関わっていて、でもまったく食えなくて、どうしよう、どうすればと貯蓄を切り崩しながら考える日々であった。生活を成り立たせるためにバイトもいくつかしていたような。

2011年、不安にドカンと追い打ちをかけた震災の年は来日・興行の仕事を始め、チャリティイベントを多く開催した思い出。不器用な私はチャリティなどやりつつ、依然としてまったく食えていなかった。
2012年は初めてフィンランドから呼ばれ、2ヶ月半の滞在で15個のフェスを取材。2013年は地元横浜で、とある国際的なプロジェクトに従事。これはそれなりに儲かった。
などとそれぞれの年を思い返すとキリがないが、なんとか生きているのは、人のご縁と運に支えられてきたからだなあと改めて考える。

2019年のハイライトはやはりプレスラボへの参加になるだろう。
広告の仕事を15年余、音楽の仕事を約10年。あらゆる制作・開発案件に携わってきたものの独立後はあえて「組織に属する」ということをしてこなかったのだが、現プレスラボのWeb制作を担当したのを契機に参加の打診をいただいた際には、ふたつ返事でお受けした。

理由は、直感として感じた周囲からの期待の大きさや、この会社の社会的意義の大きさ。
社内の名だたる編集者の中にあって現在私が担当する「あえて案件を抱えない唯一の営業職」は、会社の社会的評価を真正面で知る格好の立場で、そこで日々得る実感は先の直感を確たるものにするに足るものだ。

この会社は編集者が主役。私は笑点で日々座布団と幸せを運びつづける山田くんのように、この会社が社会から求められる役割を最大化するために、エゴを超え、裏方として長く取り組んでいけたらと思っている。

期待をありがたく受け止めつつ、きたる2020年代に向け、ぎゅっと兜の緒を引き締めたい。

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撮影協力:齋藤 大輔
今年もよろしくおねがいします